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協力隊インタビュー

| INTERVIEW |

特定非営利活動法人高田暮舎 石田裕夏さん

家族で選んだ移住、その先にあった安心。
— 人とのつながりが、ここで暮らす理由になっていく

「ここで生きてみたい」と思えた、その瞬間から。


見知らぬ土地で暮らすという選択には、不安がつきものです。

それでも一歩を踏み出した先に、どんな日常が待っているのでしょうか。


陸前高田市で移住コンシェルジュとして3年間活動した石田さんは、今年3月に卒業後、定住を予定しています。地域おこし協力隊として過ごした時間と、その先に見えてきた暮らしについて話を伺いました。


不安と期待が重なった、最初の一歩


着任当初、石田さんの胸にあったのは戸惑いでした。

仕事も生活環境も一変し、前任者のもとで業務を学びながら、目の前のことに必死に向き合う日々。

それでも、この仕事を選んだ理由は明確でした。


「この仕事なら、新しい土地でも仕事を通して確実に知り合いが増えると思ったんです。 知り合いがいることが、自分や家族の安心、そして3年後の定住につながると考えました。」


実際に地域住民や事業者との関係が少しずつ広がるにつれ、不安は静かに形を変えていきました。


暮らしの中に広がっていく、地域との関係


活動は仕事の枠を超え、私生活にも広がっていきます。


「地域のイベントで知り合った方が、後日事務所まで訪ねてきてくれて。 

そこから畑の収穫に家族で呼んでいただいたり、プライベートでも交流が広がりました。」


こうした何気ない関わりの積み重ねが、

 “地域で暮らしている実感”を静かに育てていきます。



誰かの人生の転機に寄り添うという仕事


石田さんが特に印象に残っているのは、東京の移住フェアで出会った相談者の支援でした。

現地案内から仕事・住まい探しまで伴走し、最終的に市内の勤務先で働く姿を見届けたことがありました。


「私が担当してから初めて移住につながった方が、実際に働いている姿を見たとき、

本当にうれしかったです。」


他にも、自身も未就学児の子どもを連れての移住経験をしたからこそ、

家族を伴う移住相談にも、より深く寄り添うことができました。


3年間で見つけた、町の魅力と自分の変化


人前で話すことが苦手だった石田さんですが、視察対応や講師業務を重ねる中で、少しずつ変化していきました。


「経験を重ねるうちに、人前で話すことへの苦手意識は少しずつ薄れていきました。」


そして今、町の魅力として真っ先に浮かぶのは“人との距離感”だといいます。


「どこに行っても知り合いに会える安心感があります。 監視ではなく、ほどよい距離感で見守ってくれている感じが心地いいんです。」


さらに、子どもがのびのび過ごせる子育て環境も、

この町で暮らし続けたい理由の一つになりました。


「この町に住みたい」という気持ちから始まる


石田さんは、最初から定住を前提に陸前高田へ来ました。理由はシンプルです。


「仕事内容よりも先に、『この町に住みたい』という気持ちがありました。」


3年間で築いた人とのつながりは、これからの人生を支える大切な財産になっています。


「困ったときに相談できる人が周りにいることは、これからの暮らしにとって大きな安心です。」


地域おこし協力隊を考える人へ、石田さんはこう語ります。


「地方は排他的と思われがちですが、元気に挨拶をして誠実に関われば、自然と溶け込めます。

不安に思いすぎなくて大丈夫です。」


編集後記

石田さんの言葉から伝わってきたのは、安心とは特別な出来事ではなく、日々の小さなつながりの積み重ねの中で育まれていくものだということでした。

地域おこし協力隊の時間は、地域を知るだけでなく、自分がどこでどんな暮らしを選びたいのかに静かに向き合う時間なのだと感じました。

(文・地域おこし協力隊サポートチーム)

PROFILE

石田裕夏さん

年齢

38歳

着任年月

2023年4月

出身地

新潟県

前職

総務事務

趣味

温泉めぐり、海外ドラマ・ミュージカル鑑賞

今の仕事内容

移住コンシェルジュとして、移住相談対応・情報発信・イベントの企画運営を行い、移住前後の不安に寄り添ったトータルサポートを行っている。


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